【講義紹介】パチスロ規則基礎
※この記事では、パチンコ・パチスロ規則の一部を知ることができます。
まずは嬉しいお話を一つ。
先日、2024入学の生徒からメーカー商品企画職での内定第一号が出ました!
入学後1年経たずにメーカー内定獲得と言うことになります。
私が受け持った一期目の生徒の中で記念すべきメーカー内定第一号ですから、作り手側への人材供給を通じてエンタメとしての質向上、ひいては遊技人口増加をビジョンに掲げる私にとっても同じく第一歩、嬉しい限りです。
こうやって1人1人各メーカーに散らばっていって業界を盛り上げていって欲しいですね!
この後はメーカーの’26新卒採用に向けた活動が加速するとともに、制作系の職種重視の生徒は開発会社さん向けの活動も増えていきますので、嬉しい報告は今後もこちらで抜粋して発信して参ります。
と言うことで今回のジャーナルは、そんな商品企画職には必須となる法律の知識。
「パチスロ規則基礎」の講義から一部抜粋してお届け。
皆様よろしくお願いします。プランニング講師バシタカです。
さて、抜粋するとは言っても細かすぎる法律の話は読んでいてきっと楽しくないですし、出玉試験に関する規則等は割とポピュラーで業界内様々な方々が記事にしていたりします。
なので、何の話がいいかなーと悩みましたが、今回は、知ってそうで意外と知らないフラグの構造について話をして参りましょう。
さて皆様、パチスロにおけるフラグってなんですか?説明できますか?
いやフラグはそりゃおまえ・・・アレだよ。
レバーをアレして、アレしたときの・・・チェリーとかベルとかの・・・アレだよ。
みたいなことを入学したてのうちの生徒は言います。
ちゃんと喋れ。
一般的に言われるところのフラグを言い換えるならば、軽いフラグだの重いフラグだの、プレミアフラグ引いた!とか言われたりするように、要は抽せん対象。言い換えればくじですよね。
くじを引いて、何が出るかな~?
カランカランカラーン!3等!
おめでとうございます!3等はスイカです!
みたいな。八百屋か?
今回の内容は、この例で言うところの3等が当たると何故スイカがもらえるのか。
その概念と構造の話です。
まずは皆さんご存じの通り、パチスロの図柄って対応したフラグに当たってないと揃う位置をビタ押ししようが何しようが、揃えられませんよね。
これは構造的にどういう理屈なのか。
紐解くには3つの概念を理解する必要があり、これらは階層構造になっていますので一つ一つ解説していきます。
ただ、始める前に断っておきたいことが一つ。
フラグについて今から解説するのですが、とある理由によりフラグと言う言葉を使うと非常にややこしくなってしまうので、今回はフラグと言う言葉を使わずに、パチスロにおいて一般的に使われているフラグと言う概念について説明します。今フラグってめっちゃ言った。
さて参りましょう。
【第1階層】図柄の組み合わせ
まず1つ目はフラグを構成する最小単位「図柄の組み合わせ」です。
開発では「コンビネーション」とか言いますが、
なんかイキってる感じがして恥ずかしいのでここでは言いません。
これはいわゆる配当のようなもので、何が揃ったら何が起きるのかの定義を指します。
こういう定義ですね↓
パチスロの仕様で最も根底に存在する概念なので、商品開発ではリール配列と合わせて着手する部分です。
「役」とも言います。
定義した図柄の組み合わせは、この時点ではただのパーツに過ぎません。
どう使うのか?
次のレイヤーに行きましょう。
【第2階層】条件装置
次に2つ目。図柄の組み合わせを揃えるために必要な条件「条件装置」です。
香ばしい名前が出てきましたが、この装置が作動すると、対応した図柄の組み合わせが揃って良いことになります。
逆に言うと、これが作動していない限り揃えられない、揃ってはいけない、と言うこと。
つまりフ
危なかった。失礼しました。
この条件装置には、複数の「図柄の組み合わせ」をパッキングすることができます。もちろん1つだけでもOKです。
つまりこういうことですね↓
条件装置が作動すると、中にパッキングされた(対応した)図柄の組み合わせが揃って良い状態になる、と言う訳です。
じゃあどうすれば作動するのか?
次のレイヤーに行きましょう。
【第3階層】くじ
3つ目の概念。内部抽せんの抽せん対象「くじ」です。
つまり一般的に言うところのフラ
危ない!本当に危なかった。
くじには、更に複数の条件装置をパッキングすることができます。
こういうことですね↓
さて、ここまで来ればお分かりいただけたんじゃないでしょうか。
①内部抽せんの結果くじに当せんする
②①のくじに組み込まれた条件装置が作動する
③②の条件装置に組み込まれた図柄の組み合わせが揃って良い状態になる
開発者が構造を考える時は・・・
①図柄の組み合わせを定義する
②図柄の組み合わせに対応した条件装置を生成する
③条件装置を組み合わせてくじ(抽せん対象)を生成する
④各くじの抽せん確率を決める(≒出玉設計)
こう言うことですね!
よし。解説一通り終わりましたのでここで解禁します。フラグ!ふらぐ!FLAG!
フラグと言う言葉を使うと説明がややこしくなる原因なんですが、昔はくじ=条件装置=フラグ=抽せん対象と言う考え方で良かったので、どれを使おうが意味は同じだったのです。
ところが、とあるルールの変更により複数の条件装置が同時に作動するくじを持つことが認められたんですね。
それにより第2階層と第3階層を概念的に分けて考えなければならないことになったのですが、一般に抽せん対象と言う意味合いとしても広く認知されていたフラグと言う言葉はそのままの使われ方で残っているので、この言葉を使ってしまうとどっちを指しているのか分からなくなってしまうと言う訳です。
ただ、急に第2階層と第3階層を分けて呼ばなきゃいけなくなったので、未だに統一されておらずメーカーによって呼び方はまちまちです。
第2階層は「条件装置」、第3階層のことを「フラグ」と呼んだり、またその逆のパターンもあったり、今回の私の説明のようにどこでも「フラグ」は使わなかったり等。
あとはなんか、「くじ」ってちょっとダサいじゃん?みたいな。
もしくは、「条件装置」って言いたいみたいな。
いやお前言いたいだけだろって言う、やたらと「じょうけんそうち!ジョウケンソウチ!」言ったりします。
ちなみに昔からG&Eには、この病気が発症する生徒が出ます。
覚えたての条件装置を使いたすぎて、朝の抽せん並び中にデカい声で「条件装置がさー!(声高め)」とか言ったりします。
めちゃくちゃイタいのでやめましょう。
すいません話戻します。
さて、この時点ではあくまでも「揃って良い状態になる」と言うだけ。
「揃って良い状態」=「狙えば揃えられる」と言うわけではないんですねー。
ここから先、実際に揃うかどうかについては、回胴停止制御のフェーズに入ります。
と言う訳で、そこまで及ぶと流石に長すぎるので今回はここまで!
実際の講義ではフラグの概念や停止制御に限らず、開発に必要な遊技機規則は隅から隅まで理解してもらいますよ。
ご興味があったら体験講座をはじめとしたオープンキャンパスにどうぞ!
皆様のご参加をお待ちしております。
さて、次回のジャーナルはまた遊技機規則の講義を抜粋してお届けしようか、機種レビューでも書こうか迷い中。
あまり知られていない規則の中でかいつまんで書けそうな内容もありますし、書きがいのありそうな新機種もちらほらありますしね。
そんなに間を空けずに更新予定ですので、こちらもどうぞご期待ください!
■プロフィール
プランニング講師バシタカ
パチスロのエンタメとしての可能性を妄信する元開発者
この業界の将来のためになるか否かが全ての行動指針
パチスロ商品企画職として実務経験13年(うちメーカー11年)
・ディレクターとして企画/指揮したプロジェクト(パチスロ機種)は8機種
・マネジメントを含めて、関わった機種は計22機種
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